地震に強い家とは?構造・耐震等級・形状・間取りなど、地震に強い木造住宅の建て方を解説

地震に強い家とは?構造・耐震等級・形状・間取りなど、地震に強い木造住宅の建て方を解説

世界有数の地震大国である日本では、住まいづくりにおける耐震性は欠かせない要素のひとつです。

大切な家族と暮らしを守るためには、地震に強い家を建てる方法を知り、計画段階から意識することが重要です。

本記事では、福井の工務店リョーエンホームが、「地震に強い家」の特徴や構造の違い、形と間取りの工夫などをわかりやすく解説します。

地震に強い家を建てるためのハウスメーカー選びのポイントも紹介しますので、ぜひマイホーム計画にお役立てください。

 

コラムのポイント

・耐震等級や耐震・制震・免震の違いなど、地震に強い家の特徴や考え方についてご紹介します。

・木造・鉄骨造・RC造、どの構造が地震に強い家づくりに向いているかはさまざまな要素で変わります。

・土地の地盤や間取りの工夫、ハウスメーカーや工務店選びなど、地震に強い家を建てるためのポイントを1つずつチェックしましょう。

 

地震に強い家の特徴

地震に強い家の外観

まずは、地震に強い家の基本的な特徴を押さえておきましょう。

高い耐震等級で建てられている

住宅の耐震性能をあらわす基準である耐震等級のうち、高い等級で建てることで地震に強い家になります。

 

  • 等級1:建築基準法レベル(数十年に一度の地震で倒壊しない)
  • 等級2:等級1の1.25倍の耐震性(学校や病院に多い)
  • 等級3:等級1の1.5倍の耐震性(消防署や警察署と同等)

 

建築基準法で定められている最低限の基準は耐震等級1と同等で、これを満たせば住まいを建てることができます。

しかし、日本では震度6以上の大きな地震が起きる可能性もあるため、より地震に強い家を建てるなら等級2~3を満たすのが理想的です。

上位の耐震等級で建てられた家は耐震性が高いだけでなく、大きな地震が来たときの破損リスクを軽減しやすく、軽微な補修で住み続けられる可能性も高くなります。

耐震性を高める工夫を盛り込んでいる

地震に強い家は、建物に揺れを抑えたり逃がしたりする工夫を取り入れているのも特徴です。

代表的なのが「耐震」「制震」「免震」という3つの仕組みです。

 

  • 耐震:柱や梁、耐力壁を強化し、建物自体を頑丈にして揺れに耐える
  • 制震:制震ダンパーなどの装置を組み込み、揺れのエネルギーを吸収して建物へのダメージを軽減する
  • 免震:建物と地盤の間に免震装置を設置し、揺れを建物に直接伝えにくくする

 

耐震・制震・免震はそれぞれ特徴が異なり、どの仕組みが特別優れているということではありません。

最近の注文住宅では、複数の仕組みを組み合わせて地震に強い家をつくる考え方も増えています。

例えばリョーエンホームでは、耐震と制震の仕組みを組み合わせたX-WALLで、地震に強い家づくりを提供しています。

〈関連ページ〉リョーエンホームの「X-WALL」について詳しく見る

耐震設計のバランスが取れている

地震に強い家は、構造だけでなく建物自体の設計の工夫でバランスがとられているのも特徴です。

 

設計の工夫

耐震性への影響

屋根材を軽量化する

建物の重心が低くなり揺れが小さくなる

壁をバランス良く配置する

建物全体で地震力を均等に受け止められる

重さの中心(重心)と強さの中心(剛心)を近づける

建物がねじれにくくなり破損リスクを軽減する

 

上記のように、バランスの良い設計をすることで、地震の揺れやダメージの軽減につながります。

例えば、ガルバリウム鋼板など金属製の軽量な屋根材を使うことで、建物の重心を低くして揺れの影響を抑えられます。

また、壁や建物全体のバランスを取ることも、地震に強い家づくりにつながるポイントです。

地震に強い家の構造とは

地震に強い家の構造模型

地震に強い家を建てる場合、構造も注目する方が多いポイントです。

日本の戸建て住宅で一般的な、木造・鉄骨造・RC造(鉄筋コンクリート造)の3種類それぞれの耐震性についてチェックしていきましょう。

木造住宅の特徴と耐震性

地震に強い木造の家

木造住宅は日本で最も普及している構造で、大きく2種類に分類されます。

 

  • 木造軸組み工法(在来工法):柱・梁・土台で建物を支える
  • 木造枠組み工法(ツーバイフォー工法:床・壁・天井の6面体で建物を支える

 

それぞれの基本的な構造は上記のように違い、戸建て住宅では日本で発展した木造軸組み工法が主流です。

木造住宅は軽さやしなやかさが特徴で、地震の揺れを受けても建物全体が柔軟に変形し、エネルギーを吸収しやすい点にあります。

また、金物工法やパネル工法など耐震性を高める方法も登場しており、耐震等級3を満たし地震に強い家を建てることも可能です。

3つの構造の中では最も建築費用を抑えやすく、耐震性とコストのバランスを取りやすいのも木造の特徴です。

鉄骨造住宅の特徴と耐震性

地震に強い鉄骨造の家

鉄骨造住宅は、鉄骨の柱や梁で建物を支える構造で、材料の厚みによって2種類に分かれます。

 

  • 軽量鉄骨造:鋼材の厚さが6mm未満
  • 重量鉄骨造:鋼材の厚さが6mm以上

 

軽量鉄骨造は鋼材が薄くて軽く、比較的コストを抑えやすい反面、耐震性や間取りの自由度といった面では大きなメリットはありません。

一方、重量鉄骨造は強度の高い建物をつくることができ、耐震性を高めながら大きな開口部をつくれるなど自由度が高い点がメリットです。

ただし、軽量鉄骨造・重量鉄骨造ともに、木造よりコストが高くなる点がデメリットです。

鉄骨造の家は、建物の耐久性や耐震性、設計の自由度などを重視する方に選ばれる傾向があります。

RC造住宅(鉄筋コンクリート造)の特徴と耐震性

地震に強いRC造の家

RC造は鉄筋とコンクリートを組み合わせた構造で、耐久性と耐震性が高いのが特徴です。

構造自体に重量があるため揺れにくく、地震に強く破損リスクが少ない家を建てるのに向いています。

RC造はマンションや高層建築に多く採用されていることからも、耐震性が高いことが分かります。

ただし、建物が重いため地盤への負担が大きく、地盤改良や強固な基礎設計が必要になることが多いためコストが高く工期も長くなる傾向があります。

戸建て住宅で採用する場合は、予算や敷地条件を十分に考慮したうえで選択することが大切です。

結論:どの構造が良いかはさまざまな要素で変わる

ここまで見てきたように、木造・鉄骨造・RC造はそれぞれ強みや特徴が異なり、どの構造が地震に強いかは断定できません。

予算や敷地の状況、間取りなどの条件によって、向いている構造は変わります。

例えば、コストパフォーマンスを重視するなら、建築費用を抑えられる木造で耐震等級3を目指すのが理想的です。

一方、大開口のLDKや間口の広いビルトインガレージをつくりたい場合は、耐震性と間取りの自由度のバランスを取りやすい重量鉄骨が向いています。

構造ありきで考えるのではなく、どのようなマイホームを建てたいのか明確にしたうえで、ほかの要素と耐震性のバランスを取りましょう。

福井県で地震に強い家を建てるなら、リョーエンホームにご相談ください。

構造や耐震性能はもちろん、暮らしやすさにもこだわったバランスの良い住まいづくりをご提案いたします。

〈関連ページ〉リョーエンホームの6つのポイントについて詳しく見る

地震に強い家を建てる3つのポイント

地震に強い家を建てるための地盤調査

実際に地震に強い家を建てるために考えるべきポイントを3つにまとめました。

土地の地盤や地震リスクを確認する

具体的に家づくりを検討する前に、まずは土地自体の耐震性を確認することが大切です。

どんなに耐震性の高い家を建てても、建てる土地が弱ければ本来の性能を発揮できません。

砂礫層や岩盤など硬い地盤は揺れにくく安定していますが、盛土や埋立地、河川沿いの低地は揺れが増幅しやすく、液状化のリスクも高まります。

購入前に自治体のハザードマップで地震被害のリスクを確認し、地盤調査を実施したうえで必要に応じて地盤改良を行いましょう。

また、斜面地や崖地では地すべりのリスク、道路や隣地との高低差が大きい土地では擁壁の安全性も重要なチェックポイントです。

建物の形と間取りに工夫する

地震に強い家を建てるためには、建物の形と間取りにも工夫が求められます。

 

 

良い例

悪い例

建物の形

平屋や総二階など凹凸の少ないシンプルな四角形

L字型やコの字型など張り・欠けが多い複雑な形

壁の配置

上下階の壁の位置がそろっている

上下階の壁の位置が大きくずれている

吹き抜けや開口部

小規模で壁や柱のバランスが考えられている

大規模で耐力壁や柱が不足している

建物の形を凹凸が少なくシンプルにすると、地震の揺れが一か所に集中しづらく破損リスクを軽減できます。

また、大きな吹き抜けや南側に集中した窓など、耐力壁や柱のバランスが悪いと耐震性が低下する原因になるため要注意です。

全体のバランスを考えつつ、大空間をつくりたい場合は重量鉄骨造を検討するなど、ほかの方法も比較しましょう。

ハウスメーカー・工務店選びのポイント

マイホームを建てるハウスメーカーや工務店選びも、耐震性に大きく影響するポイントです。

 

  • 耐震等級3に対応できるか
  • 構造の工夫や制震ダンパーなどの強みがあるか
  • 設計の自由度と耐震性のバランスについて提案があるか
  • 過去の実績が豊富か
  • 保証体制が整っているか

 

耐震等級は間取りや予算とのバランスが重要ですが、地震に強い家を建てるなら最高等級である3に対応できることが前提です。

また、ただ耐震等級を高めるだけでなく、制震ダンパーなど独自の工夫や強みがあるかも要チェックポイントです。

また、設計の自由度と耐震性のバランス、過去の注文住宅づくりの実績、保証体制なども、信頼できる住宅会社を選び地震に強い家を建てるためにチェックすべきです。

例えばリョーエンホームは、自由度の高い間取り設計と耐震性のバランスを取り、20年間の地震保証を標準装備しています。

〈関連ページ〉リョーエンホームの地震保証について詳しく見る

まとめ

地震に強い家を建てるためには、構造や建物の形状などさまざまなポイントに工夫する必要があります。

予算や家を建てる土地、間取りやライフスタイルによっても、地震に強い家の設計は変わってきます。

さまざまな要素を踏まえて、トータルバランスを提案できる住宅会社を選ぶことが大切です。

私たちリョーエンホームは、福井県の工務店としてデザイン・価格・耐震性などのバランスが取れた注文住宅をご提案しています。

ぜひお気軽にご相談ください。