片流れ屋根とは|メリット・デメリットやモダンな外観の施工実例を紹介
片流れ屋根は、モダンでスタイリッシュな印象を与えられるとして人気の形状です。
しかし、片流れ屋根のメリット・デメリットの双方を理解していないと、家を建ててから後悔するケースもみられます。
そこで今回は、福井県のハウスメーカーであるリョーエンホームが、片流れ屋根のメリット・デメリットや、後悔しないための対策について紹介します。
片流れ屋根の家を建てたいと検討されている方は、ぜひ参考になさってください。
コラムのポイント |
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・片流れ屋根は、一方向に傾斜した形状でモダンな印象を与えます。 ・比較的リーズナブルでおしゃれな点はメリットですが、雨漏りや結露などに注意が必要です。 ・耐久性を保持するために、定期的なメンテナンスを欠かさないようにしましょう。 |
片流れ屋根とは
片流れ屋根とは、一枚の屋根面が片方へと傾斜している形状の屋根です。
比較的コストがリーズナブルでありながらも、モダンでおしゃれな印象であることから、多くの住宅で採用されています。
片流れ屋根に使われる素材
片流れ屋根には、主に次の3つの素材が使用されます。
素材 | 特徴 |
金属屋根(ガルバリウム鋼板等) |
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スレート(化粧スレート) |
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瓦(粘土瓦・陶器瓦) |
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それぞれで特徴が大きく異なるため、目指している家のスタイルに合わせて素材を採用しましょう。
片流れ屋根にするメリット
家を建てる際、片流れ屋根を採用するメリットは次の5点です。
コストが比較的安価
片流れ屋根はシンプルな構造のため、寄棟屋根や方形屋根のような他の屋根形状より、施工費や材料費を抑えられます。
一方向に傾斜しているので、雨どいを設ける箇所が少なく、初期費用や将来のメンテナンスコストも安価です。
施工が容易で工期短縮になる
片流れ屋根は、一方向にのみ傾斜するシンプルな形状のため、設計・施工の工程が他の屋根よりも少なく、工事期間を短縮できます。
工期を短縮できることで費用を抑えられるだけでなく、施工ミスのリスクも低減可能です。
デザインがモダンでおしゃれ
片流れ屋根は、シンプルで直線的なデザインであることから、モダンな住まいにしたい方、スタイリッシュな印象にしたい方に人気です。
ナチュラルやシンプルモダン、和モダンのほか、北欧風や高級感のあるデザインまで、さまざまなスタイルに調和しやすいのも魅力といえます。
太陽光パネルを設置しやすい
片流れ屋根は一方向に大きく傾斜した形状のため、太陽光パネルを広く設置できます。
南向きにすることで日射量を最大限に活用でき、多くの発電量を期待できるのがメリットです。
また、他の屋根よりも継ぎ目が少ないので、パネルの設置やメンテナンスにも手間がかかりません。
屋根裏スペースや天井高を有効活用できる
片流れ屋根は、その傾斜を活用することによって、ロフトや小屋裏収納などのスペースを設置できます。
天井高を利用して吹き抜けを設けることも、勾配天井にして開放感のある空間とすることも可能です。
片流れ屋根にするデメリット
片流れ屋根にする場合、次の3点には注意が必要です。
雨漏りのリスクが高い
片流れ屋根は屋根が一方向だけに傾斜しているため、棟(屋根の最も高い部分)や屋根と外壁が接する部分から、雨水が侵入しやすいと考えられます。
とくに棟部分からは、雨水が屋根の裏を伝って流れやすいため注意が必要です。
強風を伴う雨天時には、吹き込みによる雨漏りのリスクがさらに高まります。
また、雨水がすべて一方向に流れるため、屋根の端や雨樋に大きな負担がかかり、劣化や破損の原因になることも少なくありません。
比較的劣化しやすい
片流れ屋根は、軒が浅い、あるいはまったくない場合が多いため、紫外線や雨風の影響を直接受けやすく、他の屋根形状と比較して劣化しやすいと考えられます。
劣化するスピードが速いとメンテナンスの頻度が上がってしまい、修繕にかかるコストが増えてしまう点に注意が必要です。
換気がしにくく結露リスクが高い
片流れ屋根は、その構造上軒先から棟までの距離が長く、空気の流れが悪くなる傾向にあります。
その結果、屋根裏や小屋裏に湿気がこもりやすくなり、結露リスクが高まることで、カビや木材の腐食につながりかねません。
とくに屋根が北向きの場合や、断熱仕様であっても断熱と換気のバランスが悪い天井では、冬場に結露が発生しやすくなることがあります。
片流れ屋根で後悔しないための対策
片流れ屋根で後悔しないためには、次の5つの対策をとりましょう。
雨漏り対策を徹底する
片流れ屋根は、その構造上雨漏りのリスクが高く、雨風も受けやすいため、雨漏り対策を徹底する必要があります。
- 棟部や周辺部を透湿性のあるルーフィングでしっかり覆う
- 屋根の端部にシール付き水切り板金を設置し、雨水の侵入を防ぐ
- 破風板を立ち上げる、あるいは補強することで、端部からの雨水侵入を防ぐ
- 屋根と外壁の接合部に防水処理を行い、隙間からの雨水浸入を防ぐ
- 雨どいを定期的に点検・清掃・補修する
上記のような対策を行い、雨漏り被害を未然に防止しましょう。
風対策を考慮する
片流れ屋根は風の影響を受けやすい形状のため、強風対策が求められます。
- 棟板金を定期的にメンテナンスし、再固定する
- 屋根材を強化し、強風時の剥がれ・飛散を防ぐ
- 屋根と外壁の接合部にあるシーリングをこまめに点検し劣化を防ぐ
- 軒の出を十分に設けることで、屋根と外壁の接続部への風雨の影響を抑える
- 耐風性の高い屋根材を選定する
- 屋根勾配を緩やかにすることで、風圧を下げる
上記のような対策をとることで、耐風性能を向上させましょう。
外壁の劣化対策を行う
片流れ屋根は基本的に軒の出が浅いため、家全体が紫外線や雨水に晒されやすいことから、外壁の劣化対策を行う必要があります。
耐久性の優れた外壁材、高耐候性のシーリング材を採用することで、劣化をできる限り防止してください。
定期的な点検、補修も欠かさず行うことにより、長期間にわたって美しい外壁を保ちましょう。
換気性能を向上させる
片流れ屋根は、その構造上換気性能が低い傾向があるため、棟や軒裏などに換気口を追加しましょう。
換気口を追加することによって、屋根裏に溜まった熱や湿気を効率よく排出できます。
保証がしっかりしている業者を選ぶ
片流れ屋根は、施工のしやすさが魅力である一方、雨漏りや劣化のリスクが少なくありません。
万が一トラブルが起こった場合も迅速に対応するために、アフターフォローや保証がしっかりしている業者を選びましょう。
業者を選定する際には、片流れ屋根の施工実績が豊富かどうかも確認することをおすすめします。
片流れ屋根の施工実例
最後に、片流れ屋根の施工実例を紹介します。
片流れ屋根のモダンな家を建てたいとご希望の方は、参考になさってください。
片流れ屋根の施工実例①
片流れ屋根と黒のサイディングボードで、スタイリッシュな印象に仕上げました。
目隠し用の壁として使用されている無垢材は、おしゃれなアクセントになっています。
片流れ屋根の施工実例②
黒のガルバリウム銅板と片流れ屋根が、モダンな印象を与えている実例です。
杉板の鎧張りは、クールなだけでなく親しみやすさも演出しています。
片流れ屋根の施工実例③
広々としたオープンガレージ付きの片流れ屋根のお住まいです。
白を基調としたシンプルな外観で、ガレージの天井は木目調とすることで高級感を演出しています。
まとめ
「モダンでスタイリッシュな外観にしたい」とご希望の場合、片流れ屋根がおすすめです。
しかし、雨漏りがしやすい構造でもあるため、定期的なメンテナンスが欠かせません。
片流れ屋根の家を建てる場合は、施工精度が高いだけでなく、アフターフォローまで充実した業者へと相談しましょう。
私たちリョーエンホームは、お客さまの理想のイメージやご要望をお伺いし、形にする福井県のハウスメーカーです。
デザインはもちろん、暮らしやすさや性能にもこだわった住まいづくりをお手伝いしますので、ぜひお気軽にご相談ください。