陸屋根とは|メリット・デメリットや後悔しないための対策まで解説【施工事例付き】

陸屋根(ろくやね・りくやね)は、傾斜がないフラットな形状が特徴の屋根で、モダンな外観や屋上スペースを活用できる点が注目されています。
しかし、雨漏りのリスクや断熱性能における課題など、採用前に知っておくべきデメリットも少なくありません。
そこで本記事では、陸屋根のメリット・デメリットから、後悔しないための具体的な対策まで、施工事例を交えて詳しく解説します。
| コラムのポイント |
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・陸屋根は、建設コストを抑えられるほか、外観がおしゃれになる、屋上を庭や洗濯スペースなどとして有効活用できるなど、さまざまなメリットがあります。 |
陸屋根とは

陸屋根(ろくやね・りくやね)とは、傾斜がなく平面状の屋根のことで、平屋根やフラットルーフとも呼ばれます。
スタイリッシュな外観デザインが特徴で、ビルやマンションなどの鉄筋コンクリート造の建物に多く採用されているほか、近年では住宅で採用されるケースも増えてきました。
陸屋根のメリット

陸屋根を採用した場合、次のようなメリットがあります。
建設コストを抑えられる
陸屋根は傾斜のある一般的な屋根と異なり、瓦を葺く必要がありません。
そのため、建設時の材料費と施工費を削減できる点が大きなメリットです。
シンプルな構造なので、施工期間の短縮にもつながり、人件費の削減効果も期待できます。
屋上スペースを有効活用できる
勾配がほとんどないフラットな形状のため、屋上庭園を設けてガーデニングを楽しんだり、洗濯物を干すスペースとして利用するなど、屋上スペースを活用できる点も陸屋根のメリットです。
「広い庭を作るためのスペースがない」とお悩みの場合も、陸屋根にして屋上を設ければ、庭の代わりとして活用できます。
メンテナンスがしやすい
勾配がないことで屋根の上でも歩行でき、清掃や補修工事の作業もしやすい点も陸屋根のメリットです。
パラペット(立ち上がり壁)が屋根の外周にあれば、作業員が屋根から墜落するリスクを抑えられるので、足場を組む必要がないケースもあります。
排水溝や樋の掃除、簡単な修理などをDIYで対応できる場合も多く、住宅の劣化スピードを緩やかにできるのは陸屋根の魅力です。
シンプルでスタイリッシュな外観を楽しめる
陸屋根は傾斜がないフラットな形状のため、モダンでおしゃれな外観デザインを実現可能です。
屋根の存在感を最小限に抑え、無駄がなくすっきりとしたシルエットにすることで、周囲の景観とも調和しやすく洗練された印象を与えます。
また、外壁とのバランスも取りやすく、建物全体の統一感を演出できるため、デザイン性を重視する方にとって魅力的な屋根形状です。
台風などの風害に強い
陸屋根は勾配がほとんどないため、風が当たる面積が小さく、台風などの強風の影響を受けにくいのもメリットの一つです。
傾斜のある屋根は風を受ける表面積が大きく、強風時に屋根材が飛散するリスクも想定されます。
一方で陸屋根は、フラットな形状により風圧を分散できるため、災害時の安全性が高まる点が強みです。
構造上、屋根材が固定されているので、強風による剥がれや浮きのリスクも軽減されると期待できます。
室内スペースを広くできる
陸屋根を採用することで、室内に大きな空間を実現しやすくなり、開放感を演出できるのもメリットの一つです。
屋根に傾斜がある場合、勾配によって天井が斜めになったり、小屋裏のデッドスペースが生じたりしますが、陸屋根では屋根裏の無駄なスペースがなくなります。
これにより、天井を高く設計できるので、同じ建築面積でも居住空間を最大限に広く確保できるのが魅力です。
太陽光発電に適している
陸屋根のフラットな屋上スペースは、太陽光パネルの設置にも適しています。
傾斜屋根の場合、屋根の向きや角度が固定されるため、必ずしも理想的な日射条件が得られるとは限りません。
一方、もともとフラットな陸屋根では、設置角度を自由に調整しやすく、パネルの清掃や点検も容易に行えるのがメリットです。
陸屋根でおしゃれなキューブ型の家を建てたい方は、こちらの記事もごらんください。
〈関連ページ〉四角い家・キューブ型の家とは|メリット・デメリットやダサい印象を防ぐコツまで実例付きで解説
陸屋根のデメリット

陸屋根にはさまざまなメリットがありますが、次の6点には注意が必要です。
雨漏りしやすい
陸屋根は傾斜がほぼないため、雨水が滞留する時間が長く、雨漏りのリスクが高くなります。
屋根に勾配があれば雨水は自然に流れ落ちますが、フラットだと水はけが悪く、屋根表面が長時間水分にさらされてしまうためです。
防水層の劣化が進行しやすいので、傾斜のある屋根と比較して雨漏りがしやすいと考えられます。
定期的な清掃と防水工事が必要
陸屋根はフラットな形状のため、落ち葉やゴミ、鳥のフンなどが溜まりやすい点に注意が必要です。
放置してしまうと排水不良による水溜まりが発生し、防水層の劣化を促進させてしまうため、定期的な清掃が欠かせません。
また、防水層は経年劣化が避けられないため、定期的に防水工事を行う必要があります。
点検頻度や工事頻度が高くなると、メンテナンス費用がかさんでしまうため注意しましょう。
断熱性が低くなる場合がある
傾斜のある屋根には屋根裏スペースがあり、空気層として緩衝材の役割を果たしますが、陸屋根ではこうした緩衝空間が確保できません。
そのため、最上階の室温が外気温や陸屋根の表面温度の影響を強く受けやすい傾向にあります。
表面温度の影響により、夏は暑く冬は寒くなりやすい点に注意が必要です。
屋根裏スペースを確保できない
陸屋根は、傾斜のある屋根のような屋根裏スペースを持たないため、屋根裏空間を収納スペースとして活用できません。
収納は室内の他の場所で確保しなければならず、住宅の設計上の制約となる恐れがあります。
コケやカビが発生しやすい場合がある
陸屋根はフラットな形状で水はけが悪いため、雨水が滞留しやすく、コケやカビが生えやすい恐れがあります。
コケやカビは見た目の問題だけでなく、防水層の劣化を進行させる原因にもなりうるので、定期的な清掃と除去が欠かせません。
積雪への備えが必要
陸屋根は傾斜がないため、積雪時には雪が自然に滑り落ちず、屋根上に雪が積もったままになります。
積雪量が多い地域では、雪の重量が建物に大きな負荷をかける恐れがあるため、構造上の強度を十分に確保しましょう。
また、雪が溶けた水が排水口に集中し、排水能力を超えると水溜まりが発生してしまいます。
凍結による排水口の詰まりや防水層の劣化も懸念されるため、事前の十分な備えとメンテナンス体制が必要です。
リョーエンホームでは、断熱材(アクアフォームLITE)を採用した高断熱・高気密の家を提供しています。
住宅性能に関しては、こちらのページよりご確認ください。
陸屋根で後悔しないために知っておくべき対策

陸屋根を採用して後悔しないためには、次の対策を押さえておきましょう。
建物の構造や立地条件に応じた適切な防水工法を選択する
陸屋根の防水工事には、ウレタン防水・シート防水・アスファルト防水・FRP防水などがあり、工法によって特徴や耐久性が変わります。
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工法名 |
特徴 |
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ウレタン防水 |
・液状のウレタン樹脂を塗り重ね、継ぎ目のない防水層を作る。 ・複雑な形状にも対応しやすい。 |
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シート防水 |
・比較的費用を抑えやすい。 ・広い面積にも対応しやすい。 ・シート同士の継ぎ目(ジョイント)部に注意が必要。 |
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アスファルト防水 |
・アスファルトとルーフィングシートを重ねる。 ・耐久性に優れている。 ・重量があるため、構造・条件との相性確認が重要。 |
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FRP防水 |
・軽量で硬く、衝撃に強い。 ・耐久性に優れているものの費用が高め。 |
どの工法が最適なのかは、屋根の広さや日当たり(紫外線)、排水の状況などで変わるため、十分な現地調査の上で決めましょう。
選んだ工法に合わせて、塗り替えや排水口の点検などを定期的に実施すれば、防水性能を長期間維持しやすくなります。
屋根に断熱材を厚く施工する
陸屋根には屋根裏スペースがないため、屋根面が直接熱を受けやすく、最上階の断熱性に十分配慮する必要があります。
断熱材を厚く施工することで、夏の暑さや冬の寒さから室内環境を守りましょう。
また、断熱性の高い住宅を選ぶことも重要です。
断熱等級とは、住宅の断熱性能を評価する指標で、等級が高いほど断熱性能が高く、季節を問わず快適な室内環境を保ちやすくなります。
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断熱等級 |
内容 |
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等級7 |
熱損失等のより著しい削減のための対策が講じられている |
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等級6 |
熱損失等の著しい削減のための対策が講じられている |
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等級5 |
熱損失等のより大きな削減のための対策が講じられている |
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等級4 |
熱損失等の大きな削減のための対策(建築物エネルギー消費性能基準等を定める省令に定める建築物エネルギー消費性能基準に相当する程度)が講じられている |
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等級3 |
熱損失等の一定程度の削減のための対策が講じられている |
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等級2 |
熱損失の小さな削減のための対策が講じられている |
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等級1 |
その他 |
〈出典〉国土交通省|住宅:法令・制度、省エネ基準等 >住宅性能表示制度における省エネ性能に係る上位等級の創設
リョーエンホームでは、もっともリーズナブルなプランであっても断熱等級5を確保しています。
断熱等級6、7の家にも対応可能なので、詳しくはこちらからごらんください。
入念に収納計画を立てる
陸屋根は屋根裏スペースがないため、屋根裏を収納スペースとして活用できません。
陸屋根を採用しながら収納を多く確保したい場合は、設計段階から施工会社と十分に相談し、入念に収納計画を立てましょう。
将来の家族構成やライフスタイルを含めて、必要な収納量を考えることが重要です。
壁面のニッチ収納や階段下収納などであれば、居室の広さを確保しながら収納量を増やせます。
屋上を利用する場合は使い勝手を考慮した設計にする
屋根のスペースをバルコニーやベランダ代わりに有効活用したい場合、排水溝(ドレン)の配置や動線、安全性などを考慮した設計が求められます。
使い勝手を十分に考慮しておかないと、「せっかく屋上を設けたのに使いにくい」「メンテナンスの手間ばかりかかる」といった後悔につながるため注意が必要です。
「陸屋根以外の選択肢も知りたい」という方は、こちらの記事もごらんください。
〈関連ページ〉片流れ屋根とは|メリット・デメリットやモダンな外観の施工実例を紹介
陸屋根を採用した施工事例

最後に、私たちリョーエンホームが手がけた、陸屋根を採用した施工事例をいくつかご紹介します。
陸屋根を採用した施工事例①

グレーを基調とした、重厚感あふれる住まいの事例です。
陸屋根を採用したキューブ型のシルエットが、洗練された雰囲気を演出しています。
陸屋根を採用した施工事例②

陸屋根を採用し、黒やグレーのモノトーンカラーで揃えた外観が、モダンな印象を与えています。
玄関ポーチやドアには木目調を採用することで、雰囲気が重たくなりすぎていません。
陸屋根を採用した施工事例③

〈関連ページ〉デザイン性と遊び心を追求したビルトインガレージの住まい。
総タイル張り×チェリー材で、高級感あふれるビルトインガレージの住まいです。
フラットで無駄のない陸屋根を採用することで、よりスタイリッシュな印象を与えています。
その他の事例は、こちらからご確認ください。
まとめ
陸屋根は、建設コストの削減やスタイリッシュな外観、屋上スペースの有効活用など多くのメリットがある一方で、雨漏りのリスクや断熱性の課題といったデメリットもあります。
家を建ててから後悔しないためには、メリット・デメリットを十分に理解した上で、信頼できる施工会社と相談しながら住まいづくりを進めましょう。
おしゃれな陸屋根の家を建てたい方は、ぜひリョーエンホームにご相談ください。


