廊下のない家の間取り図に学ぶ|効率的な動線と快適性を両立する方法

廊下のない家の間取り図に学ぶ

近年、限られた敷地を有効活用しながら、家事効率や居住性を高める工夫として注目されているのが「廊下のない家」です。

廊下をなくすことで床面積を有効活用でき、部屋同士が直接つながるため動線が短くなり効率の良い間取りをつくりやすいのが魅力です。

ただし、プライバシー性や断熱性の低下といったデメリットもあるため、ただ廊下をなくすと失敗や後悔につながるリスクもあります。

そこでこの記事では、廊下のない家のメリット・デメリット両面をチェックし、実際の間取り図や効率的な動線計画や快適性を両立するためのポイントを解説します。

これから家づくりを検討する方にとって、廊下のない間取りが自分たちのライフスタイルに合うかどうかを判断するために必要な情報をまとめました。

 

コラムのポイント

・廊下のない家は、床面積を有効活用して居住スペースや収納を広く取ることができ、効率の良い動線をつくりやすいのがメリットです。

・プライバシー性や冷暖房効率の低下など、廊下のない家づくりで注意すべきデメリットも把握しておきましょう。

・廊下をなくすことは目的ではなく手段として考え、ライフスタイルに合わせて取り入れることが大切です。

 

廊下のない家とはどんな間取りか

廊下のない家の間取り

廊下のない家とは、廊下スペースを省略して部屋同士を直接つないだ間取りのことを指します。

廊下をなくすことで限られた床面積を効率的に活用できるため、コンパクトな住宅や都市部の狭小地での住まいづくりで人気です。

居室や収納など生活に直結するスペースを広く確保でき、動線が短くなることで家事効率が向上し、ご家族同士のコミュニケーションも自然に増えるなどさまざまなメリットがあります。

一方で、プライバシーの確保や断熱性の低下といった課題もあるため、設計段階での工夫が欠かせません。

廊下のない家は「省スペース」と「効率的な動線」を実現する一方で、快適性を保つためのバランスが重要になるのです。

次の章から、廊下のない家のメリット・デメリット両面を1つずつチェックしていきましょう。

廊下のない家のメリット

廊下のない家のリビング

廊下のない間取りの家には、次のようにさまざまなメリットがあります。

床面積を有効活用できる

廊下を省略することで、限られた床面積を居室や収納などのスペースとして有効活用できるのは大きなメリットです。

例えば、2帖の廊下を省略すれば、パントリーやシューズクロークをつくったり、リビングを広げたり間取りの選択肢が広がります。

特に都市部の狭小地やコンパクトな住宅では、廊下をなくすことで限られた床面積で暮らしやすい間取りをつくれる可能性が高くなります。

動線が短く、家事効率が上がる

廊下をなくすことで部屋同士が直接つながり、効率的な動線で家事や生活の効率が上がるのも大きなメリットです。

例えば、LDKとサニタリーの間の廊下をなくせば、ドアの開閉が減りスムーズな動線でつなぐことができます。

廊下のない間取りで洗濯や掃除などの家事負担を軽減できる点は、共働き世帯にも大きなメリットです。

建築コストの削減につながる

廊下を設けないことで壁や床材、照明などの建材・設備が減り、建築コストを抑えやすいのも特徴です。

また、廊下を減らした分延床面積を抑えて、住まい全体の建築コストを削減することも可能です。

家族のコミュニケーションを取りやすい

廊下を介さずに部屋同士がつながる間取りは、ご家族が自然と顔を合わせる機会が増えコミュニケーションを取りやすくなります。

例えば、玄関から廊下を通って子供部屋まで直接行ける間取りだと、思春期のお子さまとコミュニケーションを取るのが難しいケースが多いです。

廊下をなくして必ずリビングを通る動線をつくれば、ご家族の気配を感じやすく、コミュニケーションが活発になります。

廊下のない家のデメリットや注意点

廊下のない家のリビング

廊下のない家には次のようなデメリットや注意点もあるため、間取りをつくる前に把握しておきましょう。

プライバシーの確保が難しい

廊下のない間取りは部屋同士が直接つながるため、ご家族の生活音や気配が伝わりやすくなりプライバシーの確保が難しいのがデメリットです。

例えば、洗面脱衣所とLDKが直接つながる間取りだと、お風呂上がりや寝る前の身支度などをする際に気になるケースもあります。

特に来客時に生活感が見えやすいため、間仕切りや建具で視線をコントロールする工夫が必要です。

音やニオイが広がりやすい

廊下をなくして部屋同士がつながると、キッチンやリビングの音・匂いが広がりやすくなるのも注意すべきポイントです。

キッチンの料理のニオイやリビングでの会話などが、寝室や子供部屋で気になる可能性があります。

適切な換気計画や遮音性の高い建材を取り入れるなど、音やニオイの伝わり方に配慮しましょう。

冷暖房効率が低下しやすい

空間がつながることで冷暖房効率が下がり、暑さ・寒さを感じたり光熱費が増えたりしやすいのも廊下がない家のデメリットです。

特にLDKを回廊のように使う間取りの場合、大空間になるためエアコンや暖房の効きが弱くなり、余計な光熱費がかかってしまう可能性があります。

高断熱サッシや断熱材の強化などで冷暖房効率を高め、床暖房や全館空調なども検討して温度差が少なく快適な空間をつくることが重要です。

廊下のない家の間取り実例

廊下のない家の間取り

実際に廊下のない家の間取り図を見ながら、特徴や工夫ポイントなどを感じてみましょう。

2階建て・平屋それぞれの間取り実例をご紹介します。

2階建て 延床面積約29.74坪

廊下のない家の30坪の間取り図1F

廊下のない家の30坪の間取り図2F

住まい全体の廊下をなくし、約30坪の延床面積を最大限有効活用した間取り実例です。

玄関ホールからLDKに直結する間取りは、ご家族の会話が自然に生まれ動線効率も良くなっています。

洗面脱衣室やトイレなどの水回りも、廊下を挟まずに直結させることでスムーズに移動できます。

2階も階段ホールの周りにバランス良く4部屋を配置し、床面積を最大限活用する間取りです。

平屋 延床面積29.05坪

廊下のない平屋の30坪の間取り図

廊下をほとんどつくらず、約29坪で3LDK+畳コーナーをつくった平屋の間取り実例です。

LDKを回廊のように使い、各居室や水回りに直接出入りできるスムーズな動線をつくっています。

サンルームから廊下を通らずに各居室へ行けるため、洗濯物を配る際の動線もスムーズですね。

 

ここでご紹介した間取り実例は、福井の工務店リョーエンホームが手がけたものです。

ほかにもたくさんの間取りプランや施工事例を公開していますので、ぜひ住まいづくりにお役立てください。

▼リョーエンホームの間取りプラン

▼リョーエンホームの施工事例

廊下のない家を検討する際のポイント

廊下のない家の間取り図と模型

最後に、廊下のない家を検討する際、失敗や後悔を防ぐための考え方をまとめておきましょう。

まずは、廊下のない間取りは目的ではなく、あくまで暮らしやすい住まいをつくるための手段として考えることが大切です。

廊下をなくすことにはメリット・デメリット両面があり、ライフスタイルや間取りのバランスによってマッチするかどうか変わってきます。

敷地面積や床面積に余裕があり、プライバシー性を重視するライフスタイルの場合は、廊下をつくった方が良いケースもあるのです。

無理に廊下をなくすのではなく、まずは理想のマイホーム像を固めてから、実現するための手段の1つとして上手に取り入れてみましょう。

また、デメリットでお伝えしたように、廊下のない家はLDKを広くつくりやすい反面、冷暖房効率の低下への対策が必要です。

サッシや壁・天井の断熱材などにこだわり、住まい全体の断熱性能を高めて、大空間でも冷暖房効率が低下せず快適に過ごせる空間をつくりましょう。

リョーエンホームはご予算やご要望に合わせて選べる3つの商品ラインナップをご用意し、次世代省エネ基準である断熱等級5~7を選べるようになっています。

間取りに合わせて必要な断熱性能を持たせることが可能ですので、福井県でマイホームを建てる際はぜひご検討ください。

▼リョーエンホームの商品ラインナップ

まとめ

廊下のない家の間取り

廊下のない間取りの家は、限られた敷地や予算内で理想のマイホームを建てるために効果的なアイデアの1つです。

ただし、メリット・デメリット両面があるため、ご自身の要望やライフスタイルに合うかチェックしながら取り入れましょう。

また、実際に廊下のない家の施工実績が豊富で、適切なアドバイスができる住宅会社に相談することも大切です。

リョーエンホームは、間取りの自由度や性能、価格のバランスが取れたプランで、理想の住まいづくりをご提案しています。

福井県で注文住宅をご検討の際は、ぜひお気軽にご相談ください。

▼リョーエンホームの施工事例

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