切妻屋根のメリット・デメリット|おしゃれな施工実例も紹介

シンプルな形状の三角屋根にはコストやメンテナンス性などさまざまなメリットがあり、注文住宅で採用されることが多い形状です。
しかし、注意すべきデメリットもあり、おしゃれな注文住宅を建てるためには対策や工夫が求められます。
そこでこの記事では、福井の工務店リョーエンホームが、切妻屋根のメリット・デメリットを詳しく解説します。
実際に切妻屋根を採用した注文住宅の施工実例や、おしゃれな外観デザインをつくるコツも紹介しますので、ぜひ理想の住まいづくりにお役立てください。
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切妻屋根の基本構造と外観の特徴

まずは、切妻屋根とはどんなものなのか、基本構造や外観の特徴を覚えておきましょう。
2面構成のシンプルな構造
切妻屋根(きりづまやね)は2つの屋根面を組み合わせた、山形の屋根形状のことです。
本を開いて伏せた形にたとえられることが多いです。
シンプルで施工性に優れるため、昔から日本の多くの戸建て住宅で採用されてきました。
雨樋が設けられた部分を「軒」、三角形に見える部分を「妻」と呼びます。
妻側は三角屋根のシルエット
切妻屋根の妻側は正面から見ると三角形のシルエットになり、和風から洋風まで幅広いテイストに合わせることができます。
建物の正面を妻側にすると三角屋根が特徴的なシルエットになり、シンプルながら目を引くアクセントとしてデザインに活かすことも可能です。
軒側はシンプルな外観
切妻屋根の軒側はシンプルな外観をつくりやすいのが特徴です。
軒側を建物の正面にすることで水平のラインを強調したり、落ち着いた印象をつくったりすることができます。
切妻屋根のメリット

続いて、ほかの屋根形状と比較した場合の、切妻屋根ならではのメリットをチェックしていきましょう。
コストパフォーマンスが高い
シンプルな形の切妻屋根は、複雑な屋根形状と比較してコストパフォーマンスが高いのがメリットです。
切妻屋根は棟と呼ばれる頂点部分が1直線で、必要な材料や作業が少ないためコストを抑えやすいです。
建物のデザインや周辺環境に合わせやすい
切妻屋根はデザインがシンプルなため、幅広い建物のデザインと合わせやすく、周辺環境にも馴染みやすい点も特徴です。
和風・モダン・ナチュラルなど、切妻屋根は幅広いテイストに合わせておしゃれにコーディネートしやすいです。
雨漏りリスクを抑えやすい
切妻屋根は接合部である棟の距離が短く、雨漏りリスクを抑えやすいのもメリットです。
また、2枚の屋根面でバランス良く雨を流すことができ、台風やゲリラ豪雨による雨樋の破損リスクも抑えることができます。
通気性が高く湿気や熱が溜まりにくい
切妻屋根は妻側に換気口を設けることができ、効率の良い換気で湿気や熱が小屋裏に溜まりにくいのも特徴です。
小屋裏の通気性を高めることで、湿気によるカビ、熱だまりによる室内の温度上昇などを防ぐことができます。
太陽光パネルを設置しやすい
切妻屋根は1枚の屋根面を広く取ることができ、太陽光パネルを効率良く設置しやすいのも魅力的なポイントです。
例えば、発電効率の良い南向きの広い屋根面に、太陽光パネルを多く設置してたくさんの電気を創り出すことも可能です。
切妻屋根のデメリットと注意点

切妻屋根には次のようなデメリットや注意点もありますので、対策とセットで覚えておきましょう。
妻側が劣化しやすい
切妻屋根は、三角形の妻側の外壁や破風板などが雨風や太陽光で劣化しやすい点に注意が必要です。
妻側は直射日光が当たりやすく、日差しが強い西側や南側は塗膜や外壁材が色あせたり剥がれたりしやすい傾向があります。
妻側が外観の目立つ場所にあると意匠性が低下しやすく、塗装などのメンテナンスサイクルが短くなり維持管理コストも増加します。
対策としては、塗装が不要で色あせない外壁タイルや、金属製の破風板などを採用するのが効果的です。
デザインの個性を出しにくい
切妻屋根はシルエットがシンプルな反面、外観デザインの個性を出しにくい点もデメリットです。
切妻屋根を採用する家が多いため、同じようなシルエットの家が並び安っぽく見えてしまって不満を感じる方も多いようです。
切妻屋根の家で個性を出しておしゃれな外観デザインをつくる方法はいろいろありますので、次の章で1つずつチェックしていきましょう。
切妻屋根でおしゃれな外観デザインをつくるコツ

シンプルな切妻屋根の特徴を活かし、おしゃれな外観デザインをつくるコツをご紹介します。
どのようなテイストの家にも当てはまる基本的な考え方を紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
建物全体のテイストを決める
切妻屋根の形状や配置などを決める前に、まずは建物全体のテイストを決めるのがおしゃれに仕上げるコツです。
最初にテイストを決めることで、建物全体の統一感が出ておしゃれな印象に仕上げることができます。
この後ご紹介する施工実例を参考にして、まずは好みのテイストを見つけるところから始めてみましょう。
ファサードから見たシルエットを調整する
前述したように切妻屋根は妻側・軒側で見え方が大きく変わりますので、建物のファサード(正面)を意識しながらシルエットを調整しましょう。
かわいらしい印象をつくるなら、三角屋根に見える妻側をファサードに配置するのがおすすめです。
軒側をファサードに配置すると、屋根面を大きく見せたり、シンプルなシルエットをつくったりすることができます。
玄関や表通りから良く見える方向など、住まいのファサードを意識して屋根のシルエットを調整してみてください。
屋根の素材や色にこだわる
シンプルな切妻屋根をおしゃれに見せるには、屋根の素材や色にこだわるのも大切なポイントです。
例えば、南欧風のかわいらしい外観デザインにする場合は、赤やオレンジなど暖色系の瓦屋根を使うのが定番です。
モダンテイストなら、金属やスレートなどシンプルな屋根材を組み合わせると統一感を演出しやすくなります。
玄関や窓をアクセントにする
切妻屋根単体でデザインを考えるのではなく、玄関ドアやポーチ、窓などをアクセントとして活用するのもおしゃれなテクニックです。
例えば、玄関ドアの色をアクセントにしたり、ポーチで立体感を演出したり、ちょっとした工夫で切妻屋根の外観に変化を与えられます。
また、切妻屋根の形状に合わせてスリット窓をバランス良く配置するなど、窓もおしゃれなアクセントになります。
【関連】スリット窓のメリット・デメリット|後悔を防ぐ選び方やおしゃれな施工実例も紹介
ほかの屋根形状と組み合わせる
切妻屋根単体だとデザインが物足りない場合は、ほかの屋根形状と組み合わせてみるのもおすすめです。
例えば、切妻屋根と片流れ屋根を組み合わせると、立体感のあるシルエットをつくることができます。
また、2つの切妻屋根を段違いにするなど、ちょっとした変化を演出する方法もあります。
切妻屋根のおしゃれな施工実例
最後に、リョーエンホームが手がけた切妻屋根のおしゃれな注文住宅施工実例をご紹介します。

切妻屋根の片側を延長した大屋根のシルエットが美しい施工実例です。
スクエア窓や玄関ポーチ、カーポートなどの配置にもこだわり、屋根だけでなく全体でバランスのいい外観に仕上がっています。

切妻屋根の妻側を正面にして、ヨーロッパ風の外観に仕上げた施工実例です。
玄関のアール形状や上げ下げ窓の配置など、トータルコーディネートによっておしゃれな印象に。
まとめ
コストパフォーマンスに優れる切妻屋根は、多くの注文住宅で採用されている人気の形状です。
ただし、シンプル過ぎてデザイン面の不満を感じるケースもありますので、今回ご紹介したポイントを押さえておしゃれな外観に仕上げましょう。
福井の工務店リョーエンホームは、多くの注文住宅の施工実績を活かし、おしゃれで暮らしやすい住まいづくりをお手伝いいたします。
ぜひお気軽にご相談ください。

