吹き抜けのメリット・デメリットとは?失敗・後悔を防ぐ対策を解説|施工事例付き

吹き抜けは、開放感や採光の良さから注文住宅で人気の間取りです。
しかし「憧れで取り入れたものの、光熱費が高い」「音が筒抜けで困る」といった後悔の声も少なくありません。
そこで本記事では、吹き抜けのメリット・デメリットや費用相場、失敗を防ぐ具体策まで、施工事例とともに詳しく解説します。
| コラムのポイント |
|---|
| ・吹き抜けをつくる場合、空調効率が下がりやすい分、断熱・気密性能を高めることが欠かせません。 ・吹き抜けは上下階で音やニオイが筒抜けになりやすいため、間取り計画の段階から対策を組み込みましょう。 ・吹き抜けにより耐力壁が減って耐震性に影響が出るため、耐震等級3の確保に加え、地震の揺れを吸収するダンパーなどの制震装置を併用すると安心です。 |
Contents
吹き抜けとは

吹き抜けとは、上下の階が一体となってつながった縦長の空間です。
たとえば、一階のリビングの天井と二階の床をなくし、屋根近くの天井までを一つの空間として設計します。
開放感を演出できることで空間をより広く見せることができ、リビング・玄関・階段まわりに採用されることの多い間取りです。
おしゃれな吹き抜けの施工事例3選

〈関連ページ〉家族の毎日を温かく包む、大きな吹き抜けがある家。
ここからは、私たちリョーエンホームが手がけた吹き抜けのある家の事例をご紹介します。
吹き抜けの施工事例①

和モダンのおしゃれなLDKに吹き抜けを設けた事例です。
小上がりスペースのおこもり感と吹き抜けの開放感が合わさり、どこか非日常を感じさせる空間となっています。
吹き抜けの施工事例②

〈関連ページ〉"自分らしさ" にこだわり抜いた、デザインハウス。
縦に広がる白を基調としたLDKに吹き抜けを設けた事例です。
掃き出し窓とスケルトン階段をセットにすることによって、開放感がさらにプラスされています。
リビングのソファやテーブルも背の低いものでそろえ、空間にゆとりが生まれているのも特徴です。
吹き抜けの施工事例③

ホテルライクな雰囲気が魅力のLDKに吹き抜けを設けた事例です。
庭へと続く大開口からたっぷりと光が差し込み、広々としたLDKをより開放的に演出しています。
ホテルライクな家を建てたい方は、こちらの記事もご確認ください。
〈関連ページ〉ホテルライクな家づくり|外観のコツや内装・間取りのアイデアまで実例付きで解説
注文住宅で吹き抜けをつくるメリット

注文住宅で吹き抜けをつくる場合、主なメリットは次の通りです。
開放感のある空間を演出できる
吹き抜けを設けると、一階と二階を仕切る天井がなくなるため、視線が縦方向に伸びます。
その結果、ゆとりのある開放的な空間を演出できるのが大きな特徴です。
坪数が限られており、水平方向に広さを確保するのが難しい場合も、吹き抜けで縦の空間をつくることであまり窮屈に感じられません。
採光・明るさを確保しやすい
吹き抜けがあると、通常よりも高い位置に窓(ハイサイドライト)を設置できるため、日差しを室内の奥まで届けられます。
隣家や塀が近い場所に家を建てた場合でも、高窓から十分に採光を確保しやすく、明るい空間を叶えられるのは大きなメリットです。
たっぷりと光が差し込むことで、日中は照明を使わずに過ごせるケースも少なくありません。
家族間のコミュニケーションが増える
吹き抜けによって一階と二階の空間をつなげれば、階が違ってもご家族の声や気配を感じやすくなり、コミュニケーションが増えると期待できます。
一階にいても二階のお子さまに声をかけやすかったり、二階からリビングの様子が見渡せたりと、ご家族の存在をより身近に感じられるのはうれしいポイントです。
より自然とコミュニケーションの機会を増やすには、リビング階段とセットで取り入れるのもおすすめのアイデアです。
〈関連ページ〉スケルトン階段とは?後悔しないためのポイントや間取り実例まで解説
デザイン性が高い・高級感を演出できる
吹き抜けは、通常の天井高では実現できないダイナミックな縦空間をつくり出せるため、住まいのデザイン性を大きく高めます。
「注文住宅を建てるからにはおしゃれな家にしたい」とお悩みの場合、玄関やリビングに吹き抜けを採用するのはおすすめの手段です。
シャンデリアやペンダントライトを高い天井から吊り下げれば、まるでラグジュアリーホテルのエントランスのような印象も演出できます。
大理石調のフロアタイルや、スタイリッシュなアイアン階段など、素材にまでこだわるとさらに高級感が高まります。
空間がより広く感じられる
吹き抜けは床面積を増やすわけではありませんが、上下に空間が広がることで、実際よりも広い印象を与えやすくなります。
延べ床面積を広く取れないものの、できる限り広く開放的な空間をつくりたい場合、吹き抜けはおすすめの間取りアイデアです。
大きなハイサッシの窓や、視界の抜けるスケルトン階段と組み合わせることで、より窮屈さを軽減できます。
注文住宅で吹き抜けをつくるデメリット

吹き抜けにはさまざまなメリットがある一方で、次の5点には注意する必要があります。
冷暖房効率が下がり光熱費が増えやすい
吹き抜けを設けると、一階と二階が一体となった広い空間が生まれるため、エアコンが効きにくくなります。
また、暖かい空気は上昇する性質があるので、冬に暖房をつけても暖気が天井付近に溜まり、床近くは寒いままといった状態にもなりかねません。
夏の冷房も同様に、冷気が下に滞留して上部に届きにくく、空調効率が落ちる恐れがあります。
結果として、エアコンを長時間にわたって高出力で運転しなければならず、光熱費が増えやすい点に注意しましょう。
音・ニオイが階をまたいで広がりやすい
吹き抜けは一階と二階がつながっているため、音やニオイが上下階へ届きやすくなります。
- ・一階リビングのテレビの音や会話の声が二階の寝室まで響いてしまう
- ・キッチンで調理した際にニオイや煙が家全体に広がってしまう
- ・一階から聞こえる音が気になってテレワークに集中できない
上記のようなトラブルにつながりやすいので、ご家族の生活時間帯がバラバラな場合はとくに注意が必要です。
二階の床面積が減る
吹き抜けをつくるとなると、本来は二階の床として使えたスペースをなくすことになるため、その分部屋数や収納スペースが不足する恐れがあります。
「開放的な空間を優先してばかりで、居室や収納が足りていない」と、実用性が犠牲になってしまうケースはゼロではありません。
ご家族の人数が多い場合や、将来的に家族構成の変化も予想される場合、間取り計画から慎重な判断が求められます。
窓・照明のメンテナンスが大変
吹き抜けとセットで取り入れられる高窓や照明などは、日常的なメンテナンスが簡単ではありません。
高い位置に設置された照明の電球交換や、窓の拭き掃除を行う場合、通常の脚立では届かないことがほとんどです。
掃除やメンテナンス時には、専用のはしごや高所用の清掃道具が必要となり、ご自分で対処しきれない場合は専門業者に依頼することとなります。
費用と手間が定期的にかかる恐れがあるので、施工費用だけでなくランニングコストまで考慮したうえで採用を検討しましょう。
耐震性に影響が出る場合がある
吹き抜けを設けると、その部分の二階の床がなくなって「水平構面(床剛性)」が失われ、地震時に一部の柱や梁に力が集中しやすくなります。
また、吹き抜け部分には耐力壁を設けられないので、家全体の耐力壁の量も減り、耐震性に影響が出る恐れもゼロではありません。
デザイン面にこだわるだけでなく、適切な構造設計によって耐震性能も高く保つことが重要です。
こちらの記事もあわせてごらんください。
〈関連ページ〉地震に強い家とは?構造・耐震等級・形状・間取りなど、地震に強い木造住宅の建て方を解説
吹き抜けで失敗・後悔を防ぐ5つの対策

「吹き抜けをつくらなければよかった」と後悔しないためには、次にあげる対策をとりましょう。
断熱・気密性能を高めて空調効率を改善する
吹き抜けのある家を快適に保つには、高断熱・高気密の家にすることが欠かせません。
断熱等級がより高い家を建てることで、吹き抜けがあっても冷暖房効率の高い家にしましょう。
断熱等級とは、住宅の断熱性能についてランク付けされた指標です。
等級は1〜7までの7段階あり、数字が大きいほど熱が逃げにくく、冷暖房効率が高い高性能住宅であることを意味します。
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断熱等級 |
内容 |
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等級7 |
熱損失等のより著しい削減のための対策が講じられている |
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等級6 |
熱損失等の著しい削減のための対策が講じられている |
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等級5 |
熱損失等のより大きな削減のための対策が講じられている |
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等級4 |
熱損失等の大きな削減のための対策(建築物エネルギー消費性能基準等を定める省令に定める建築物エネルギー消費性能基準に相当する程度)が講じられている |
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等級3 |
熱損失等の一定程度の削減のための対策が講じられている |
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等級2 |
熱損失の小さな削減のための対策が講じられている |
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等級1 |
その他 |
〈出典〉:国土交通省|住宅:法令・制度、省エネ基準等 >住宅性能表示制度における省エネ性能に係る上位等級の創設
2025年4月以降、新築住宅には等級4以上が義務付けられていますが、吹き抜けのある家を建てる際には断熱等級5~7の家を建てることをおすすめします。
リョーエンホームでは、最低でも断熱等級5の家を提供しており、等級6、7の家も施工可能です。
詳しい住宅ラインナップについてはこちらよりご確認ください。
シーリングファンで温度のムラをなくす
吹き抜けで発生しやすい温度のムラをなくすには、シーリングファンを活用しましょう。
天井にシーリングファンを設置しておけば、天井付近に滞留した暖気も下方向へ送られるので、室内の空気が循環して温度のムラが生じにくくなります。
夏は熱気が分散されて体感温度が下がり、冬は暖気が循環して一階も暖かくなるなど、冷暖房効率の向上に効果的です。
間取り計画で音やニオイをコントロールする
吹き抜けによる音やニオイの拡散を抑えるには、設計段階の間取り計画から対策を取り入れましょう。
- ・吹き抜けに面する部屋の建具には防音ドアを採用する
- ・壁や天井に吸音材を使用して音の反響を軽減する
- ・寝室や書斎は吹き抜けから遠い位置に配置する
- ・ニオイが広がるのを防ぐためにキッチンと吹き抜けの位置関係を工夫する
上記のような対策を取り入れることで、吹き抜けならではの音やニオイに関するトラブルをできる限り減らせます。
照明や窓のメンテナンスのしやすさを十分に考慮する
吹き抜けを採用する場合、照明は交換頻度の低いLED電球にするだけでなく、昇降機能付きの製品を選んで電球交換や清掃の手間を軽減しましょう。
耐荷重や昇降ストロークの長さを確認し、吹き抜けの天井高に対してワイヤーやコードの長さが十分な製品を選ぶことをおすすめします。
また、窓の掃除・メンテナンスの手間を軽減するには、キャットウォーク(高所点検用の通路)を二階の吹き抜け部分に設置しましょう。
これにより、窓拭き・窓枠のほこり除去などの作業を、より安全かつ手軽に自分で行えるようになります。
耐震×制震で地震に強い家にする
吹き抜けがある住宅では、耐力壁の設置場所が制限されるため、耐震だけでなく制震も取り入れて地震に強い家にしましょう。
まず、最高水準となる「耐震等級3」で建物全体として必要な強度を確保するだけでなく、制震装置を導入することで、地震の揺れを建物内部のダンパーが吸収・軽減し、構造体へのダメージを抑えられます。
リョーエンホームの家では、耐震と制震を兼ね備えた「高性能ダンパーK3」を採用しており、震度7までの揺れも吸収できるのが特徴です。
吹き抜けをつくりながらも、地震に強い家を建てたい方はこちらより詳細をごらんください。
〈関連ページ〉耐震・免震・制震のどれがいいのか|それぞれの違いやおすすめの組み合わせも解説
注文住宅で吹き抜けをつくる場合の費用相場

注文住宅で吹き抜けをつくる場合、大まかな費用の目安は100〜300万円です。
吹き抜け本体の施工費用は100~150万円ほどが相場ですが、その他にも次のような費用が含まれるため、合計で200万円以上かかるのはめずらしくありません。
- ・構造補強費(二階部分の強度を確保するための工事)
- ・断熱対策費(窓や壁の断熱対策)
- ・手すりの設置費(吹き抜け周辺の安全対策)
- ・照明・シーリングファンの設置費(高所設置のための専用工事)
しかし、リフォームで後付けするとなると500万円ほどかかる場合もあるので、吹き抜けをつくりたいと検討されている場合、新築時から取り入れておくことをおすすめします。
まとめ
吹き抜けは開放感・採光・デザイン性を高める一方、光熱費・音・耐震性への影響といったデメリットも伴います。
断熱等級5以上の高気密・高断熱仕様にするほか、シーリングファンを活用する、間取り段階から音・ニオイ対策を取り入れるなど、十分な対策を取り入れましょう。
リョーエンホームでは、吹き抜けのある注文住宅を多数手がけているので、お悩みの際にはお気軽にお問い合わせください。


